~ 「 犬と私の10の約束 」 ~
「南極物語」「クイール」で動物指導
をしてきたドッグトレーナー宮忠臣氏に
よる犬の演技が見事。
雨に打たれてとぼとぼ
夜の町をうろついたり、
路面電車に乗り込んだり。
ワンカットでの長回しも多い。
こんな犬に「私を信じて下さい」
「私にはあなたしかいません」等々
言われ(たような気になっ)ては
犬好きにはたまらない。
予定調和のラストへ向かって
号泣する準備をするだけだ。
函館の美しい式を背景に物語りは展開する。
前半では子犬と出あった少女が母の死や幼馴染との別れを乗り越え成長し、成人後の公判で就職や父との心の交流、幼馴染との恋愛を描く。母が少女に教え諭す犬を飼うための心構え「十の約束」を軸に話は進むが、犬の立ち位置があやふやで、犬がいなくても物語は成立するのではと思えた。
動物映画の味わいは
動物の生き様や、それを
通して描かれる人間の
あり方などにあるが、
この作品は犬などどうでも
いい人にまで人生を観照
させるだけの力が弱い。
犬の演技がすばらしかっただけに残念に思えた。
監督 = 本木克英
〇◎〇 〇◎〇 〇◎〇 〇◎〇 〇◎〇 〇◎〇 〇◎〇