楽器のように響く言葉
~ 沖縄・久松方言で歌う ~
使いこなせる人はわずか
三千人という出身地沖縄県
宮古島の久松方言で歌う
異色のシンガー・ソングライターだ。
島外の者に歌詞の内容は理解できない。だが、音楽的な響きの言葉があたかも楽器のように、不思議と心にしみいってくる。
歌い始めた経緯が面白い。
同級生との宴会で「草履がない」と即興で歌った。これが受けた。
父親の還暦祝いにテープに吹き込んでプレゼントしたら。親類の口コミで評判が広がった。
自主制作CDが七千枚売れ、
沖縄ではちょっとしたスターに。
スキューバダイビング始動の仕事に
やりがいは感じていたが「仕事には
代わりがいるけど、歌に代わりはいない」
と心に決めた。
「共演者に『お前は本当に何も知らないな』
と笑われる」ほど、音楽とは無縁の生活だった。
三年前のデビュー以降、猛勉強中とはいえ、
島の何気ない生活を描くセンスや、常識に
とらわれないギター奏法は天性のブルース
シンガーの趣だ。
新アルバム「3%」の表題曲で
は大勢に流されることへの違和感
を歌った。
「気恥ずかしいことも歌いやすい」方言の強みを感じながらも、「方言シンガーというだけでなく、下地勇の世界を確立したい」と欲がでてきている。
38歳
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